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メールマガジン第7号

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          □■ 連載コーナー □■ 
           「池田憲章の部屋」
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【闇の中に立つ黒衣の男のシルエット。
   バットマンが特撮リボルテックに降臨!】

 アメリカン・コミックヒーローの中で、バットマンは異色のヒーローである。スーパーマン、スパイダーマン、ハルク、ファンタスティック・フォー、ワンダーウーマン・・・・・と超能力を持つヒーローたちと違って、バットスーツとマスクの中味は、鍛えあげられた体とはいえ、生身の肉体をもつブルース・ウェイン、人間そのものだからだ。
1939年、17歳のニューヨークの少年ボブ・ケインが創造したヒーローで、悪人によって両親を目の前で殺されたウェインが、科学力と財力を得て、バットスーツとメカニックを開発、バットマンとして悪を粉砕する闇のヒーローとなった。
 誕生から70年以上、コミック誌上に、映画やTVの中で活躍し続けてきたのだ。クリストファー・ノーラン監督が演出した映画「バットマン・ビギンズ」(2005)、と「ダークナイト」(2008)は、ティム・バートン監督が演出した「バットマン」(1989)、「バットマン リターンズ」(1992)で覚醒した、闇の中で戦う熱い心を持つコウモリのシルエットを持つヒーローというアダルトな香りを、さらにハードボイルドに、ワイルドに、肉弾相打つアクション・ヒーローとして深化させた。そのブルース・
ウェインの化身がバットスーツだった。
ブルース・ウェインが経営する企業ウェイン・エンタープライズの応用科学部が軍事用に開発していた
軍事用防護スーツを発展させたもので、耐熱耐炎素材で作られ、近距離からの直撃弾でなければ弾丸にも耐えられる防弾性をもつスーツだ。
防水、防毒ガス素材でもある。ブルース・ウェインは自ら黒く塗装し直し、コウモリのマークを胸部に刻印した。
 ブルース・ウェインは少年時代、目の前で殺された両親の情景を忘れたことはなかった。今日も両親と同じように、罪なき人々が悪の牙に狙われている。ゴッサム・シティーの夜の闇の中、例え警察に追われようとも、許せない悪を追撃するバットマンは、今夜も戦い続けていくのだ。
 バットマンの有名ポーズは、昔から手前に広がるケープ(マント)がコウモリのシルエットに転じるイメージで、それは特撮リボルテックのモデル化でも大きな課題となった。バットマンの原型を担当した寒河江弘氏は、ケープ(マント)を3分割することで、ケープが前に廻りこむイメージ、後ろにブワッと広がる躍動感、後ろにはためく決然と立つバットマンのスタンディング・ポーズを取れるようになった。コウモリ型手裏剣バッタラン(バットラング)、先端にフックがついたケーブルを発射して頭上の建築物フックを引っかけ、上昇していくマグティック・グラップリング・ガン、そしてブルース・ウェインの素顔パーツと、オプション・パーツも充実していて、スタンディング・バーに設置することで空中を飛び降りるバットマンも固定化することができるようになった。
 怒りを胸に、戦う男、バットマン。ゴッサム・シティーのダークナイト。
ぜひ「バットマン・ビギンズ」と「ダークナイト」の2本の映画を観て、クリスチャン・ベール演じるバットマンの熱いパッションに触れてほしい。自然にあなたはバットマンのポーズを取れるようになるだろう。
あらゆる時代に人々を魅きつけてきたダークナイト、バットマン。その雄々しき肖像が特撮リボルテックのモデルなのだ。
(特撮研究家・池田憲章)

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